相続税の基礎知識

預金・有価証券だけの相続税はいくら?――計算の順番と概算シミュレーション

財産が預金や上場株式だけであれば、相続税はどのように計算するのでしょうか。ここでは家族を配偶者と成人の子に限定し、財産の評価額から納付額までの流れを確認します。金融資産だけでも、保有残高にいきなり税率を掛けるわけではありません。

財産を確認評価・控除相続人と税率税額を試算

最初に決めるのは「財産の評価額」です

預金は残高を確認しますが、既経過利息などの扱いにも注意が必要です。上場株式は、相続開始日の終値だけでなく、財産評価基本通達で認められる月平均額との比較など、相続税固有の評価を行います。下の計算欄には、こうした評価を済ませた金額を入力してください。証券会社の画面に表示された時価総額が、そのまま申告額になるとは限りません。

生命保険金や死亡退職金、過去の贈与、他人名義になっている本人の財産などがあれば、預金・証券以外の確認も必要です。本記事の計算機は、それらを含めない単純なケースを扱います。

家族全体の税額を先に計算します

正味の遺産額から基礎控除を引き、残額を法定相続分で仮に分けます。その仮の取得額に段階的な税率を当てはめ、合計したものが相続税の総額です。実際の分け方を決める前に、この段階を挟むことが計算の特徴です。

その後、相続税の総額を実際の取得割合で配分し、各人について軽減や控除を検討します。本計算機では、配偶者がいるときは配偶者が半分、子が残りを均等に取得する前提に固定しています。子だけなら均等取得です。

配偶者と子2人、正味遺産1億円の例

基礎控除は4,800万円、課税遺産総額は5,200万円です。配偶者の仮の取得額2,600万円に対する税額は340万円、子は1人につき1,300万円で145万円です。合計630万円を実際の取得割合に配分します。

配偶者が半分を取得し、配偶者の税額軽減の要件を満たす場合、配偶者分315万円は軽減され、子2人の負担合計は315万円となります。ただし、税額軽減を使うための申告と必要書類は別途必要です。試算額が小さいことと、手続が不要なことは同じではありません。

この試算から次に確認すること

相続人が誰か、財産が漏れていないか、評価時点がそろっているかを先に整理しましょう。債務も残高さえあれば全部控除できるのではなく、被相続人の確実な債務かなどを確認します。

兄弟姉妹が相続人になるケース、養子・代襲相続、相続放棄、未成年者や障害者の税額控除などがあるケースは、この計算機の対象外です。入力欄を無理に置き換えず、個別の計算が必要です。

例で確認する

項目この例の条件・金額
正味遺産1億円
法定相続人配偶者と子2人
税額軽減前の総額630万円
配偶者が半分を取得した場合の家族の納付額315万円(他の控除等なし)

主な参考資料

法令・制度の基準日:2026年08月20日。個別の事実関係によって結論が変わるため、具体的な取扱いは資料を確認してご検討ください。

ご家族と財産の状況に応じた検討を

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本稿は2026年10月10日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

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