賃貸マンションやアパートを持つ方の相続では、建物の評価、土地の評価、借入金、手元資金を別々に整理する必要があります。借入金が多いから相続税が必ずなくなる、というものではありません。
売買価格と相続税評価額は違います
購入したときの価格や、いま売却できそうな価格を、そのまま相続税計算に使うわけではありません。土地・建物の権利関係、賃貸状況、評価時点を確認して、それぞれ評価します。
貸家や貸家建付地については借家権等を考慮する評価がありますが、賃貸割合や利用実態が重要です。空室の扱いも含め、契約書・入居状況を確認します。本計算機は評価自体を行わず、確認済みの相続税評価額を受け取る設計です。
借入金は誰の債務なのかを確認します
被相続人の債務として相続税上控除できるものを入力します。法人が借りたお金は、株主個人の相続でそのまま控除する借入金ではありません。団体信用生命保険によって死亡時に消滅する住宅ローンも、単なる残高の入力では実態と合わなくなります。
賃貸経営では返還義務のある敷金なども検討事項になります。預かったお金と収益を混同せず、返還義務や帳簿を確認してください。
借入金を引いた額で試算します
預金3,000万円、確認済みの賃貸不動産評価額1億円、控除できる借入金5,000万円なら、正味遺産は8,000万円です。相続人が子2人だけで均等取得すると、基礎控除4,200万円を差し引き、課税遺産総額は3,800万円となります。
1人当たりの仮の取得額1,900万円に対する税額は235万円、家族全体では470万円です。小規模宅地等の特例や贈与加算などがあれば、結果は変わります。本計算機では貸付事業用宅地等の特例を含めていません。
評価額が下がっても、支払えるとは限りません
財産の大半が不動産であれば、税額に比べて現金が少ないことがあります。賃料収入があっても、納税期限までに必要な額を用意できるかは別に確かめます。売却予定があるなら、売却費用や譲渡所得課税も考える必要があります。
通達の評価額と借入額だけを使って節税効果を断言することはできません。取引の経緯や評価の状況によって総則6項が問題になることもあります。数字の比較は、財産承継の全体を整理する入口として使ってください。
例で確認する
| 項目 | この例の条件・金額 |
|---|---|
| 預金と不動産評価額 | 3,000万円+1億円 |
| 控除可能な借入金 | 5,000万円 |
| 相続人 | 子2人・均等取得 |
| 相続税の概算 | 合計470万円 |
主な参考資料
法令・制度の基準日:2026年08月22日。個別の事実関係によって結論が変わるため、具体的な取扱いは資料を確認してご検討ください。
ご家族と財産の状況に応じた検討を
制度の一般論から、ご自身のケースの確認へ。相談内容とお申し込み方法をご案内します。
相続・贈与・事業承継のご相談はこちら →本稿は2026年10月10日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。
記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

