相続税の基礎知識

生前贈与と相続、税負担はどう違う?――条件を固定して比較する

生前贈与をすれば必ず税金が減るのでしょうか。贈与税と相続税は計算方法が違い、贈与した時期も結果に影響します。ここでは条件をあえて限定して、比較の仕組みを理解するための計算を用意しました。

財産を確認評価・控除相続人と税率税額を試算

比べる税金は1つではありません

贈与したときに払う税金と、残った財産を相続したときに払う税金を合計して比較します。贈与後の相続税だけを見て「減った」と判断しても、贈与税を含めた合計が増えていることがあります。

金銭の贈与を想定します。不動産なら登記費用や不動産取得税、株式なら評価の変動や権利の移転など、別の要素があります。それらを現金と同じ計算結果として扱うことはできません。

贈与した財産が相続税に加算される場合

暦年課税による生前贈与でも、相続時に加算対象となる期間・受贈者に該当すれば、相続税計算に戻して計算します。期間は改正の経過措置があり、死亡日によっても違います。単に年間110万円以内だったという理由では加算対象から外れません。

この計算機では、その問題を隠さず、すべての贈与から7年を超えて相続が起こるという限定条件を置いています。相続が近い場合の対策試算には使えません。現行の税率を固定して仕組みを比較する学習用モデルです。将来の税制を予測するものではありません。

1億円を、子2人が相続する場合の比較

生前贈与がなければ相続税総額は770万円です。成人の子1人へ年間110万円を10年にわたり毎年独立して贈与し、その全額が加算対象期間の外にあると仮定すると、残る財産は8,900万円です。

その財産を子2人が均等に取得すると相続税総額は605万円です。この例の贈与税はゼロなので両税合計も605万円となります。ただし、この差額165万円は上記の時間条件などを満たした場合の数字で、10年贈与すれば誰でも同額が減るという意味ではありません。

税負担以外の条件も整理します

贈与した財産は受贈者のものになります。渡す側の老後資金や介護費、事業資金が不足しないかを考えなければなりません。複数の子がいる場合、贈与の偏りと相続時の分割の関係も確認します。

計算機では贈与税は受贈者自身が負担する前提です。贈与者が税金まで負担すれば、それ自体の贈与の検討が必要になります。最後に、贈与契約、送金、受贈者による管理を記録し、単なる名義変更で終わらないようにしてください。

例で確認する

項目この例の条件・金額
贈与前の財産と相続人1億円・子2人
贈与の仮定子1人へ110万円×10年。全贈与から7年超経過
贈与なしの相続税770万円
贈与ありの贈与税+相続税0円+605万円

主な参考資料

法令・制度の基準日:2026年08月27日。個別の事実関係によって結論が変わるため、具体的な取扱いは資料を確認してご検討ください。

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本稿は2026年10月10日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

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