組合(ファンド)の税務

匿名組合の税務

条文の定義

「匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。」

匿名組合契約は、出資をする匿名組合員と、その出資を用いて営業を行う営業者との間で結ばれる契約です。商法第535条は、出資と利益分配の約束によってこの契約の効力が生じると定めています。

骨格

論点 条文の定め
契約の成立 商法第535条
出資財産の帰属・業務執行/代表権の有無 商法第536条
氏名等の使用を許諾した場合の責任 商法第537条
契約の解除・終了事由 商法第540条・第541条
終了時の出資の価額の返還 商法第542条
利益の分配の国内源泉所得該当性・課税標準への算入 所得税法第161条・第174条
支払時の源泉徴収義務 所得税法第210条・第212条
法人の匿名組合員が損失を取り込む場合の制限 租税特別措置法第67条の12

出資したお金や営業の権利義務は、営業者と匿名組合員のどちらに帰属するのか

商法第536条は、まず出資財産の帰属について次のように定めています。

「匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。」

匿名組合員が出資した金銭その他の財産は、営業者自身の財産となります。同条はあわせて匿名組合員の権利義務も定めており、匿名組合員は次のことができないとされています。

「匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。」

さらに、匿名組合員は営業者の行為について、第三者との関係でも独立した立場に置かれます。

「匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない。」

ただし、匿名組合員が自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾した場合には、商法第537条により、その使用以後に生じた債務について営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う場面があります。

匿名組合契約はどのようにして終わるのか

契約の終了に関しては、商法が解除と終了事由とを分けて定めています。存続期間の定めがない場合等の解除については、商法第540条が次のように定めています。

「匿名組合契約で匿名組合の存続期間を定めなかったとき、又はある当事者の終身の間匿名組合が存続すべきことを定めたときは、各当事者は、営業年度の終了時において、契約の解除をすることができる。ただし、六箇月前にその予告をしなければならない。」

また、存続期間の定めの有無にかかわらず、やむを得ない事由があるときはいつでも解除できる旨も同条に定められています。これとは別に、商法第541条は、事業の成功又は成功の不能、営業者の死亡又は後見開始の審判、営業者若しくは匿名組合員の破産手続開始の決定といった事由による契約の終了を定めています。契約が終了したときの取扱いについては、商法第542条が出資の価額の返還を次のように定めています。

「匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる。」

匿名組合員への利益の分配に源泉徴収がかかるのはどこに書いてあるのか

匿名組合契約に基づく利益の分配は、所得税法上、複数の条文にまたがって位置づけられています。まず、非居住者・外国法人に関する国内源泉所得を定める所得税法第161条は、次の分配を国内源泉所得の一つとして掲げています。

「国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配」

内国法人については、所得税法第174条が課税標準として匿名組合契約に基づく利益の分配を掲げています。そのうえで、支払をする側の源泉徴収義務は、居住者に対する支払について所得税法第210条が次のように定めています。

「居住者に対し国内において匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づく利益の分配につき支払をする者は、その支払の際、その利益の分配について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。」

税額の計算方法は所得税法第211条・第213条に定められています。実際の税率は国税庁の公表値でご確認ください。

誰が匿名組合員かで、見るべき条文はどう変わるのか

匿名組合員が居住者・非居住者・内国法人・外国法人のいずれであるかによって、確認すべき条文の体系は変わります。所得税法は居住者を「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人」、非居住者を「居住者以外の個人」と定義し、法人税法は内国法人を「国内に本店又は主たる事務所を有する法人」、外国法人を「内国法人以外の法人」と定義しています。

当事者 見るべき条文・通達 押さえどころ
居住者 商法第535条・第536条、所得税法第210条・第211条、所得税基本通達36・37共-21 営業者から受ける分配の所得区分は通達が定めています
非居住者 所得税法第161条・第164条・第212条・第213条 匿名組合の分配は、恒久的施設を有する場合・有しない場合のいずれについても分離課税の対象として掲げられています
内国法人 所得税法第174条・第212条、法人税基本通達14-1-3、租税特別措置法第67条の12 匿名組合契約等が損失の取り込み制限の対象に含まれます
外国法人 法人税法第138条・第141条、法人税法施行令第177条、所得税法第212条 国内源泉所得は複数の号に分けて定められ、資産の運用・保有による所得には除外があります

非居住者に対して課する所得税の額の計算方法は、所得税法第164条が定めています。同条は次のように定めています。

「非居住者に対して課する所得税の額は、次の各号に掲げる非居住者の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得について、次節第一款(非居住者に対する所得税の総合課税)の規定を適用して計算したところによる。」

同条はこれに加えて、次のようにも定めています。

「次の各号に掲げる非居住者が当該各号に定める国内源泉所得を有する場合には、当該非居住者に対して課する所得税の額は、前項の規定によるもののほか、当該各号に定める国内源泉所得について第三節(非居住者に対する所得税の分離課税)の規定を適用して計算したところによる。」

同項は、恒久的施設を有する非居住者について次のように定めています。

「第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(同項第一号に掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)」

恒久的施設を有しない非居住者については、次のように定めています。

「第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得」

匿名組合契約に基づく利益の分配(所得税法第161条)は、いずれの号にも掲げられています。源泉徴収義務そのものは、居住者に対する第210条とは別に、所得税法第212条が非居住者・外国法人・内国法人に対する支払について定めています。

匿名組合員が法人である場合、租税特別措置法第67条の12にいう特定組合員が「その組合契約に係る組合事業又は当該信託につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産(匿名組合契約等にあつては、組合事業に係る財産)又は信託財産の価額とされている場合その他の政令で定める場合には」、同条による損失の取り込みの制限を受けます。

外国法人については、法人税の課税標準そのものが国内源泉所得の区分によって定まります。法人税法第141条は次のように定めています。

「外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得の金額とする。」

ここでいう国内源泉所得は、法人税法第138条が複数の号に分けて定めており、恒久的施設に帰せられる所得と、国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得とは、別の号に置かれています。後者について、同条は次のように定めています。

「国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)」

法人税法施行令第177条は、この資産の運用又は保有により生ずる所得に含まれる資産を列挙する規定であり、次のように定めています。

「次に掲げる資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)は、法第百三十八条第一項第二号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得に含まれるものとする。」

租税条約が適用される場合や恒久的施設を有する場合の扱いは、別稿の租税条約及び支店PEの各記事でご確認ください。

実務で迷いが生じるところ

  • 所得税法第161条・第174条・第210条はいずれも「匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)」に相当する文言を用い、第212条は第161条の該当箇所を引いています。「これに準ずる契約」の内容は政令の定めによるため、該当条文を確認する必要があります。
  • 所得税法第212条は、非居住者に対する支払について「第百六十一条第一項第四号から第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得」を、外国法人に対する支払について「同項第四号から第十一号まで若しくは第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得」を対象として掲げています。匿名組合契約に基づく利益の分配(所得税法第161条)は、このいずれの範囲にも含まれています。
  • 租税条約が締結されている国の者が匿名組合員である場合や、恒久的施設を有する場合には源泉徴収の扱いに影響することがあります。あわせて確認する必要があります。

通達は匿名組合の分配をどう位置づけているか

匿名組合員が営業者から受ける分配の所得区分は、所得税基本通達36・37共-21が次のように定めています。

「営業者から受ける利益の分配は雑所得とする。ただし、……重要な業務執行の決定を行っているなど組合事業を営業者と共に経営していると認められる場合には、……当該営業者の営業の内容に従い、事業所得又はその他の各種所得とする。」

同通達(注)2は次のように定めています。

「営業者から受ける利益の分配が、当該営業の利益の有無にかかわらず一定額又は出資額に対する一定割合によるものである場合には、その分配は金銭の貸付けから生じる所得となる。」

営業者の必要経費算入について、所得税基本通達36・37共-21の2は次のように定めています。

「36・37共-21により営業者が匿名組合員に分配する利益の額は、当該営業者の当該組合事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入する。」

匿名組合員又は営業者の益金・損金算入について、法人税基本通達14-1-3は次のように定めています。

「法人が匿名組合員である場合における……利益の額又は損失の額については、現実に利益の分配を受け、又は損失の負担をしていない場合であっても、……益金の額又は損金の額に算入し、法人が営業者である場合における……匿名組合契約により匿名組合員に分配すべき利益の額又は負担させるべき損失の額を損金の額又は益金の額に算入する。」

この通達の定めには、どのような改正又は追加の表示が付いているか

所得税基本通達36・37共-21には「平17課個2-39」の改正の表示が、36・37共-21の2には同じ「平17課個2-39」の追加の表示が付されています。法人税基本通達14-1-3には「平17年課法2-14「十五」」による改正の表示のほか、「昭55年直法2-15「三十三」」による改正の表示も付されています。

外国の組合に出資したときはどうなるのか

任意組合等の範囲について、所得税基本通達36・37共-19(注)1及び法人税基本通達14-1-1(注)は次のように定めています。

「任意組合等とは、……並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」

匿名組合契約は、この任意組合等の定義には含まれず、所得税基本通達36・37共-21が別に定めています。

外国法に基づく組織体の課税上の扱いについて、最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166、原審 名古屋高等裁判所 平成24(行コ)8)について、裁判所が公表している裁判要旨は次のとおりです。

「外国法に基づいて設立された組織体が……外国法人に該当するか否かは,まず,①……日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,……自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。」

裁判所が公表している裁判要旨は次のとおりです。

「米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが……外国法人に該当し,……当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者は,……当該賃貸事業に係る所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の所得の金額から控除することはできない。」

根拠条文

  • 商法第535条第1項(匿名組合契約)/引用した文言:「匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。」
  • 商法第536条第1項(匿名組合員の出資及び権利義務)/引用した文言:「匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。」
  • 商法第536条第2項(匿名組合員の出資及び権利義務)/条文の文言:「匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。」
  • 商法第536条第3項(匿名組合員の出資及び権利義務)/引用した文言:「匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。」
  • 商法第536条第4項(匿名組合員の出資及び権利義務)/引用した文言:「匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない。」
  • 商法第537条第1項(自己の氏名等の使用を許諾した匿名組合員の責任)/条文の文言:「匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。」
  • 商法第540条第1項(匿名組合契約の解除)/引用した文言:「匿名組合契約で匿名組合の存続期間を定めなかったとき、又はある当事者の終身の間匿名組合が存続すべきことを定めたときは、各当事者は、営業年度の終了時において、契約の解除をすることができる。ただし、六箇月前にその予告をしなければならない。」
  • 商法第540条第2項(匿名組合契約の解除)/条文の文言:「匿名組合の存続期間を定めたか否かにかかわらず、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、いつでも匿名組合契約の解除をすることができる。」
  • 商法第541条第1項(匿名組合契約の終了事由)/条文の文言:「前条の場合のほか、匿名組合契約は、次に掲げる事由によって終了する。」
  • 商法第542条第1項(匿名組合契約の終了に伴う出資の価額の返還)/引用した文言:「匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる。」
  • 所得税法第161条第1項第16号(国内源泉所得)/引用した文言:「国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配」
  • 所得税法第174条第9号(内国法人に係る所得税の課税標準)/条文の文言:「匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。第百七十六条第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)において同じ。)に基づく利益の分配」
  • 所得税法第210条第1項(源泉徴収義務)/引用した文言:「居住者に対し国内において匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づく利益の分配につき支払をする者は、その支払の際、その利益の分配について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。」
  • 所得税法第211条第1項(徴収税額)
  • 所得税法第212条第1項(源泉徴収義務)/条文の文言:「非居住者に対し国内において第百六十一条第一項第四号から第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)の支払をする者又は外国法人に対し国内において同項第四号から第十一号まで若しくは第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(第百八十条第一項(恒久的施設を有する外国法人の受ける国内源泉所得に係る課税の特例)又は第百八十条の二第一項若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定に該当するもの及び政令で定めるものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、これらの国内源泉所得について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。」
  • 所得税法第212条第3項(源泉徴収義務)/条文の文言:「内国法人に対し国内において第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金(これらのうち第百七十六条第一項若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)又は第百七十七条(完全子法人株式等に係る配当等の課税の特例)の規定に該当するものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、当該利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。」
  • 所得税法第213条第1項第1号(徴収税額)
  • 所得税法第213条第2項第2号(徴収税額)
  • 租税特別措置法第67条の12第1項(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「特定組合員(組合契約に係る組合員(これに類する者で政令で定めるものを含むものとし、匿名組合契約等にあつては、匿名組合契約等に基づいて出資をする者及びその者の当該匿名組合契約等に係る地位の承継をする者とする。……)のうち、……自ら執行する組合員その他の政令で定める組合員以外のものをいう。……)」
  • 租税特別措置法第67条の12第3項第1号(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「組合契約民法第六百六十七条第一項に規定する組合契約及び投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約並びに外国におけるこれらに類する契約(政令で定めるものを含む。)並びに匿名組合契約等をいう。」
  • 租税特別措置法第67条の12第3項第2号(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「匿名組合契約等匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)及び外国におけるこれに類する契約をいう。」
  • 租税特別措置法第67条の12第1項(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「その組合契約に係る組合事業又は当該信託につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産(匿名組合契約等にあつては、組合事業に係る財産)又は信託財産の価額とされている場合その他の政令で定める場合には」
  • 所得税法第2条第1項第3号(定義)/引用した文言:「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。」
  • 所得税法第2条第1項第5号(定義)/引用した文言:「居住者以外の個人をいう。」
  • 法人税法第2条第3号(定義)/引用した文言:「国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。」
  • 法人税法第2条第4号(定義)/引用した文言:「内国法人以外の法人をいう。」
  • 所得税法第164条第1項(非居住者に対する課税の方法)/引用した文言:「非居住者に対して課する所得税の額は、次の各号に掲げる非居住者の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得について、次節第一款(非居住者に対する所得税の総合課税)の規定を適用して計算したところによる。」
  • 所得税法第164条第2項(非居住者に対する課税の方法)/引用した文言:「次の各号に掲げる非居住者が当該各号に定める国内源泉所得を有する場合には、当該非居住者に対して課する所得税の額は、前項の規定によるもののほか、当該各号に定める国内源泉所得について第三節(非居住者に対する所得税の分離課税)の規定を適用して計算したところによる。」
  • 所得税法第164条第2項第1号(非居住者に対する課税の方法)/引用した文言:「第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(同項第一号に掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)」
  • 所得税法第164条第2項第2号(非居住者に対する課税の方法)/引用した文言:「第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得」
  • 所得税法第212条第1項(源泉徴収義務)/引用した文言:「第百六十一条第一項第四号から第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得」
  • 所得税法第212条第1項(源泉徴収義務)/引用した文言:「同項第四号から第十一号まで若しくは第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得」
  • 法人税法第138条第1項第1号(国内源泉所得)/条文の文言:「外国法人が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該恒久的施設が果たす機能、当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設と当該外国法人の本店等(当該外国法人の本店、支店、工場その他これらに準ずるものとして政令で定めるものであつて当該恒久的施設以外のものをいう。次項及び次条第二項において同じ。)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得(当該恒久的施設の譲渡により生ずる所得を含む。)」
  • 法人税法第138条第1項第2号(国内源泉所得)/引用した文言:「国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)」
  • 法人税法第141条(見出しなし)/引用した文言:「外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得の金額とする。」
  • 法人税法施行令第177条第1項(国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得)/引用した文言:「次に掲げる資産の運用又は保有により生ずる所得(所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号まで(国内源泉所得)に該当するものを除く。)は、法第百三十八条第一項第二号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得に含まれるものとする。」

根拠となる通達・裁判例

  • 所得税基本通達36・37共-21(匿名組合契約による組合員の所得)/引用した文言:「営業者から受ける利益の分配は雑所得とする。ただし、……重要な業務執行の決定を行っているなど組合事業を営業者と共に経営していると認められる場合には、……当該営業者の営業の内容に従い、事業所得又はその他の各種所得とする。」
  • 所得税基本通達36・37共-21(注)2(匿名組合契約による組合員の所得)/引用した文言:「営業者から受ける利益の分配が、当該営業の利益の有無にかかわらず一定額又は出資額に対する一定割合によるものである場合には、その分配は金銭の貸付けから生じる所得となる。」
  • 所得税基本通達36・37共-21の2(匿名組合契約による営業者の所得)/引用した文言:「36・37共-21により営業者が匿名組合員に分配する利益の額は、当該営業者の当該組合事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入する。」
  • 法人税基本通達14-1-3(匿名組合契約に係る損益)/引用した文言:「法人が匿名組合員である場合における……利益の額又は損失の額については、現実に利益の分配を受け、又は損失の負担をしていない場合であっても、……益金の額又は損金の額に算入し、法人が営業者である場合における……匿名組合契約により匿名組合員に分配すべき利益の額又は負担させるべき損失の額を損金の額又は益金の額に算入する。」
  • 所得税基本通達36・37共-19(注)1(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の帰属)/引用した文言:「任意組合等とは、……並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」
  • 法人税基本通達14-1-1(注)(任意組合等の組合事業から生ずる利益等の帰属)/引用した文言:「任意組合等とは、……並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」
  • 最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166)/裁判要旨の引用:「外国法に基づいて設立された組織体が……外国法人に該当するか否かは,まず,①……日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,……自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。」
  • 最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166)/裁判要旨の引用:「米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが……外国法人に該当し,……当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者は,……当該賃貸事業に係る所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の所得の金額から控除することはできない。」

匿名組合の歴史ーー中世の海上貿易と、現代のホテル・不動産投資

匿名組合は、現代のファンドのために新しく考案された仕組みではありません。資金を出す人と、実際に事業を営む人を分け、その利益を分配するという考え方には、長い歴史があります。

起源は中世の海上貿易にさかのぼる

トラスト未来フォーラムが公表する匿名組合の沿革に関する研究では、その起源は10世紀ころの地中海沿岸のコンメンダ(commenda)契約にあると説明されています。資金や商品を提供する側と、船を動かして貿易を行う側とが役割を分担し、得られた利益を分ける仕組みです。

日本でも、1890年(明治23年)公布の旧商法第268条に匿名組合の規定が置かれていました。さらに、1899年(明治32年)公布の商法にも匿名組合が規定されています。したがって、ラブホテルへの投資をきっかけに制度そのものが生まれた、というわけではありません。

ラブホテルへの投資にも使われた

一方で、匿名組合とラブホテルには、実際に接点があります。レジャーホテルへの投資を案内する事業者自身の公開ページには、匿名組合出資型のファンドであることが明記され、2004年に開催したホテル視察ツアーの記録も残っています。

ここでのポイントは、ホテルの利用者から得る収益を生み出す営業者と、事業のために資金を提供する出資者を分けられることです。出資者がホテルの現場を運営しなくても、契約に従って利益の分配を受けるという匿名組合の構造を、ホテル事業に応用したものです。

ただし、匿名組合という契約形式を使えば、ホテルの収益性や出資金の回収が保証されるわけではありません。この事業者の説明も、元金の保全や配当を約束するものではなく、利益が分配されない場合や元金が毀損する場合があると明示しています。また、当時の利用例を確認できることと、現在同じ商品が販売されていることとは別です。

現在のGK-TKにもつながる「出資と経営の分担」

匿名組合は、現在では合同会社(GK)を営業者として組み合わせるGK-TKなどにも利用されています。古くからある契約の柔軟性を、現代の投資実務に活用しているのです。

制度の歴史を知ると、「匿名」という語感よりも、誰が事業を営み、誰が資金を出し、利益と損失をどう分けるかが本質だと分かります。そのうえで、個々の事業内容に応じた業規制や、営業者・匿名組合員それぞれの課税関係を確認する必要があります。

本稿は2026年9月13日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

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