条文の定義
「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。」
民法上の組合(任意組合)は、複数の当事者が出資をして共同で事業を営むことを約束すれば成立する契約であり、出資は労務を目的とすることもできます。
骨格
| 論点 | 条文の定め |
|---|---|
| 組合契約の成立 | 民法第667条(出資をして共同の事業を営むことを約することで成立。出資は労務も可) |
| 組合財産の性質 | 民法第668条(各組合員の出資その他の組合財産は総組合員の共有に属します) |
| 損益分配の割合 | 民法第674条(定めがなければ出資価額の割合。利益・損失のいずれかのみ定めたときは共通と推定) |
| 持分の処分・組合財産の分割 | 民法第676条(持分の処分は組合及び組合と取引をした第三者に対抗不可。清算前の分割請求は不可) |
| 組合員個人の債権者と組合財産 | 民法第677条(組合員の債権者は組合財産について権利を行使できません) |
| 個人・不動産所得の損益通算制限 | 租税特別措置法第41条の4の2(特定組合員等に該当する場合、損失が生じなかったものとみなされます) |
| 法人・組合事業の損失の損金算入制限 | 租税特別措置法第67条の12(特定組合員又は特定受益者に該当する場合で一定の場合、組合等損失額のうち出資の価額等を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額が原則損金不算入。該当する場合は組合等損失額の全額が対象) |
| 法人・有限責任事業組合の損失の損金算入制限 | 租税特別措置法第67条の13(損失の額として政令で定める金額が、出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合、その超える部分の金額が損金不算入) |
出資した組合財産は、自分のものとして自由に扱えるのか
任意組合に出資すると、その出資その他の組合財産は「総組合員の共有に属する」ものとされます(民法第668条)。民法第676条は、組合員が組合財産についてその持分を処分しても、「その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない」と定め、さらに清算前に組合財産の分割を求めることもできないとしています。加えて、組合員個人の債権者は組合財産についてその権利を行使することができません(民法第677条)。
損益はどの割合で自分に帰属するのか
組合の損益の分配割合は、まず当事者間の合意によります。民法第674条は、当事者が損益分配の割合を「定めなかったとき」は各組合員の出資の価額に応じて定めるとし、また「利益又は損失についてのみ」分配の割合を定めたときは、その割合が利益及び損失に共通するものと推定するとしています。分配割合の合意の有無・範囲によって適用される規律が変わるため、契約書に損益分配の定めがあるかどうかをまず確認する必要があります。
個人が組合事業の不動産所得の赤字を出したとき、他の所得と通算できるのか
租税特別措置法第41条の4の2は、「特定組合員」又は「特定受益者」に該当する個人が、組合事業又は信託から生ずる不動産所得の損失の金額として政令で定める金額があるときは、「当該損失の金額に相当する金額は、……所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかつたものとみなす」と定めています。特定組合員は、「特定組合員(組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員以外のものをいう。)」と定義されています。組合事業に係る重要な財産の処分・譲受け又は多額の借財に関する業務執行の決定に関与し、かつ、その重要な部分を自ら執行する組合員は特定組合員から除かれ、それ以外の組合員が特定組合員に当たります。損失の金額の範囲や具体的な計算方法は「政令で定める」に委任されており、この条文だけでは確定しません。
法人が組合事業から生じた損失を計上したとき、全額を損金算入できるのか
租税特別措置法第67条の12は、法人が特定組合員又は特定受益者に該当する場合で、かつ組合事業又は信託につき債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産(匿名組合契約等にあつては、組合事業に係る財産)又は信託財産の価額とされている場合その他の政令で定める場合には、当該法人の当該事業年度の組合等損失額のうち、出資の価額又は信託財産の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額(当該組合事業又は当該信託財産に帰せられる損益が実質的に欠損とならないと見込まれるものとして政令で定める場合に該当する場合には、当該組合等損失額)に相当する金額は、「当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない」と定めています。この括弧書きにより、政令で定める場合に該当するときは組合等損失額そのものが対象になります。特定組合員は、「特定組合員(組合契約に係る組合員(これに類する者で政令で定めるものを含むものとし、匿名組合契約等にあつては、匿名組合契約等に基づいて出資をする者及びその者の当該匿名組合契約等に係る地位の承継をする者とする。以下この項及び第四項において同じ。)のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員その他の政令で定める組合員以外のものをいう。第四項において同じ。)」と定義されています。匿名組合契約等の出資者を組合員に含めているのはこの括弧書きであり、匿名組合契約等それ自体を「組合契約」に含めているのは同条の別の定義規定です。確定申告書等を提出する法人が組合等損失超過合計額を有する場合は、利益の額として政令で定める金額に達するまでの金額を、その事業年度の損金の額に算入する仕組みも同じ条文にあります。有限責任事業組合契約の組合員である法人には、租税特別措置法第67条の13が同様の制限を置いています。有限責任事業組合の組合員である個人については、租税特別措置法第27条の2に必要経費不算入の別の特例が置かれています。
誰が組合員かで、見るべき条文はどう変わるのか
任意組合の組合員に対する課税を検討するときは、まずその組合員がどの区分に属するかを確認する必要があります。所得税法第2条は個人を居住者と非居住者に区分し、法人税法第2条は法人を内国法人と外国法人に区分しています。組合員がこの4区分のどこに属するかによって、適用される条文の体系が異なります。
| 当事者 | 見るべき条文・通達 | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 居住者 | 所得税基本通達36・37共-19ほか、租税特別措置法第41条の4の2 | 組合事業から生ずる利益・損失は組合員の各種所得の計算に取り込まれます。損益通算には制限があります。 |
| 非居住者 | 所得税法第161条、第164条、第212条、第213条、租税特別措置法第41条の21(投資事業有限責任組合契約・外国組合契約の組合員に限る) | 組合契約に基づく配分のうち、恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で政令で定めるものは国内源泉所得に当たります。この所得について金銭その他の資産の交付を受ける場合には、配分をする者が支払者とみなされます。 |
| 内国法人 | 法人税基本通達14-1-1ほか、租税特別措置法第67条の12 | 組合事業から生ずる利益・損失は法人の各事業年度の益金・損金の計算に取り込まれます。損金算入には制限があります。 |
| 外国法人 | 法人税法第138条、第141条、所得税法第212条、租税特別措置法第41条の21・第67条の16(いずれも投資事業有限責任組合契約・外国組合契約の組合員に限る) | 課税標準が恒久的施設帰属所得か、それ以外の国内源泉所得かで区分されます。組合契約に基づく配分も源泉徴収の対象となりえますが、所得税法第212条は外国法人について非居住者とは異なる範囲・除外を置いています。 |
非居住者又は外国法人が組合員となる場合、所得税法第161条は「民法第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約(これに類するものとして政令で定める契約を含む。以下この号において同じ。)に基づいて恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で当該組合契約に基づいて配分を受けるもののうち政令で定めるもの」を国内源泉所得の一類型として掲げています。
非居住者については、所得税法第164条が、恒久的施設を有するかどうかにより取り扱う国内源泉所得の範囲を書き分けており、恒久的施設を有する非居住者については、恒久的施設帰属所得と組合契約に基づく配分に係る国内源泉所得とを一括して掲げています。外国法人については、法人税法第141条が、恒久的施設帰属所得かそれ以外の国内源泉所得かにより課税標準を区分しています。
所得税法第212条は、非居住者又は外国法人に対する国内源泉所得の支払について源泉徴収義務を定めています(非居住者・外国法人への支払と源泉徴収)。組合契約に基づく配分については、同条は、組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。)である非居住者又は外国法人が当該組合契約に定める計算期間その他これに類する期間において生じた当該国内源泉所得につき金銭その他の資産の交付を受ける場合には、「当該配分をする者を当該国内源泉所得の支払をする者とみなし、……この法律の規定を適用する」と定めています。分配の計算期間が1年を超える場合の期間の区切り方、金銭等の交付がされない場合にみなし支払の日をどう扱うかも、この条文に定めがあります。徴収すべき税額の計算方法は所得税法第213条に置かれています。
投資組合契約を締結している組合員である非居住者又は外国法人のうち、当該投資組合契約に基づいて恒久的施設を通じて事業を行うもので次に掲げる要件を満たすものについては、所得税に関しては租税特別措置法第41条の21が、当該恒久的施設に帰せられる国内源泉所得について所得税を課さないとする特例を置いています。外国法人については、同様の要件のもとで法人税に関して租税特別措置法第67条の16が別に法人税を課さないとする特例を置いています。この特例にいう投資組合契約は、「投資組合契約 投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約及び外国組合契約をいう」と定義され、同条にいう外国組合契約は、「外国組合契約 外国における投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約に類する契約をいう」と定義されています。民法上の組合契約はこの定義に含まれておらず、任意組合の組合員である非居住者・外国法人にこれらの特例が及ぶかどうかは、この定義に照らして確認する必要があります。要件としては、「当該投資組合契約によつて成立する投資組合の有限責任組合員であること」、「当該投資組合契約に基づいて行う事業に係る業務の執行として政令で定める行為を行わないこと」、「当該投資組合契約に係る組合財産に対する持分割合として政令で定めるところにより計算した割合が百分の二十五に満たないこと」、「当該投資組合契約によつて成立する投資組合の無限責任組合員と政令で定める特殊の関係のある者でないこと」が条文に列挙されています。
通達は3つの計算方法を認めている
組合事業に係る利益・損失の具体的な計算方法は、通達が定めています。所基通36・37共-20は「次の(1)の方法により計算する。ただし、その者が(1)の方法により計算することが困難と認められる場合で、かつ、継続して次の(2)又は(3)の方法により計算している場合には、その計算を認めるものとする。」としています。
(2)は「……引当金、準備金等に関する規定の適用はない。」、(3)の所得区分は「当該組合事業の主たる事業の内容に従い、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一の所得」となります。
法基通14-1-2も原則(1)ですが、継続適用の(2)(3)は「多額の減価償却費の前倒し計上などの課税上弊害がない限り」認めています。
帰属の時期については、所基通36・37共-19の2は個人について「任意組合等の組合員の組合事業に係る利益の額又は損失の額は、その年分の各種所得の金額の計算上総収入金額又は必要経費に算入する。」と定め、法基通14-1-1の2は法人について「たとえ現実に利益の分配を受け又は損失の負担をしていない場合であっても、当該法人の各事業年度の期間に対応する組合事業に係る個々の損益を計算して当該法人の当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。」と定めています。分配割合については、所基通36・37共-19が「当該分配割合が各組合員の出資の状況、組合事業への寄与の状況などからみて経済的合理性を有していないと認められる場合には、この限りではない。」と定めています。
通達には、どのような改正の表示が付いているのか
所基通36・37共-19は平17課個2-39、課資3-11、課審4-220により改正され、36・37共-19の2は同じ表示により追加されました。36・37共-20は平17課個2-39、課資3-11、課審4-220に加え、平24課個2-30、課審5-25によっても改正されています。法基通14-1-1は平17年課法2-14「十五」により追加され、14-1-1の2は同じ表示により改正されました。14-1-2は昭55年直法2-15「三十三」、平6年課法2-5「八」、平17年課法2-14「十五」により改正されています。
外国の組合に出資したときはどうなるのか
法基通14-1-1(注)(所基通36・37共-19(注1)も同旨)は「任意組合等とは、民法第667条第1項に規定する組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項に規定する投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約に関する法律第3条第1項に規定する有限責任事業組合契約により成立する組合並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」と定義しています。
最高裁平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166)の裁判要旨は「外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かは,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。」と示したうえで、米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップについて外国法人該当性を認め、判示の事情の下においては、当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者はその所得の金額の計算上生じた損失の金額を控除することはできないとしました。
実務で迷いが生じるところ
- 「損失の金額として政令で定める金額」及び「出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額」の具体的な範囲は、施行令の該当条文を確認しないと定まりません。
- 所得税法第212条にいう「組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。)」のうち、政令で定める者が具体的に何を指すかは、施行令の該当条文を確認する必要があります。
- 租税特別措置法第41条の21にいう「業務の執行として政令で定める行為」が具体的に何を指すかは、施行令の該当条文を確認する必要があります。
根拠条文
- 民法 第667条第1項(組合契約)/引用した文言:「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。」
- 民法 第667条第2項(組合契約)/引用した文言:「出資は、労務をその目的とすることができる。」
- 民法 第668条第1項(組合財産の共有)/引用した文言:「各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。」
- 民法 第674条第1項(組合員の損益分配の割合)/引用した文言:「当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。」
- 民法 第674条第2項(組合員の損益分配の割合)/引用した文言:「利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益及び損失に共通であるものと推定する。」
- 民法 第676条第1項(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)/引用した文言:「組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。」
- 民法 第676条第3項(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)/引用した文言:「組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。」
- 民法 第677条第1項(組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止)/引用した文言:「組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。」
- 租税特別措置法 第41条の4の2第1項(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)/引用した文言:「特定組合員(組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員以外のものをいう。)」
- 租税特別措置法 第41条の4の2第1項(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)/引用した文言:「当該損失の金額に相当する金額は、同法第二十六条第二項及び第六十九条第一項の規定その他の所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかつたものとみなす。」
- 租税特別措置法 第41条の4の2第2項第2号(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)/引用した文言:「組合事業各組合契約に基づいて営まれる事業をいう。」
- 租税特別措置法 第67条の12第1項(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「……その債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産(匿名組合契約等にあつては、組合事業に係る財産)又は信託財産の価額とされている場合その他の政令で定める場合には、当該法人の当該事業年度の組合等損失額(……)のうち当該法人の当該組合事業に係る出資の価額又は当該信託の信託財産の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額(当該組合事業又は当該信託財産に帰せられる損益が実質的に欠損とならないと見込まれるものとして政令で定める場合に該当する場合には、当該組合等損失額)に相当する金額(……)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。」
- 租税特別措置法 第67条の12第3項第1号(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)/引用した文言:「組合契約民法第六百六十七条第一項に規定する組合契約及び投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約並びに外国におけるこれらに類する契約(政令で定めるものを含む。)並びに匿名組合契約等をいう。」
- 租税特別措置法 第67条の13第1項(見出しなし)/引用した文言:「……当該事業年度の組合事業(……)による損失の額として政令で定める金額が当該法人の当該組合事業に係る出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、その超える部分の金額に相当する金額(……)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。」
- 租税特別措置法 第27条の2第1項(有限責任事業組合の事業に係る組合員の事業所得等の所得計算の特例)/引用した文言:「有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約(以下この条において「組合契約」という。)を締結している組合員である個人が」
- 所得税法 第2条第1項第3号(定義)居住者/引用した文言:「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。」
- 所得税法 第2条第1項第5号(定義)非居住者/引用した文言:「居住者以外の個人をいう。」
- 法人税法 第2条第3号(定義)内国法人/引用した文言:「国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。」
- 法人税法 第2条第4号(定義)外国法人/引用した文言:「内国法人以外の法人をいう。」
- 所得税法 第161条第1項第4号(国内源泉所得)/引用した文言:「民法第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約(これに類するものとして政令で定める契約を含む。以下この号において同じ。)に基づいて恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で当該組合契約に基づいて配分を受けるもののうち政令で定めるもの」
- 所得税法 第161条第1項第1号(国内源泉所得)/引用した文言:「非居住者が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が当該非居住者から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該恒久的施設が果たす機能、当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設と当該非居住者の事業場等(……)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得(当該恒久的施設の譲渡により生ずる所得を含む。)」
- 所得税法 第164条第1項(非居住者に対する課税の方法)/引用した文言:「非居住者に対して課する所得税の額は、次の各号に掲げる非居住者の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得について、次節第一款(非居住者に対する所得税の総合課税)の規定を適用して計算したところによる。」
- 所得税法 第212条第1項(源泉徴収義務)/引用した文言:「非居住者に対し国内において第百六十一条第一項第四号から第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)の支払をする者又は外国法人に対し国内において同項第四号から第十一号まで若しくは第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(第百八十条第一項(恒久的施設を有する外国法人の受ける国内源泉所得に係る課税の特例)又は第百八十条の二第一項若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定に該当するもの及び政令で定めるものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、これらの国内源泉所得について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。」
- 所得税法 第212条第5項(源泉徴収義務)/引用した文言:「第百六十一条第一項第四号に規定する配分を受ける同号に掲げる国内源泉所得については、同号に規定する組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。)である非居住者又は外国法人が当該組合契約に定める計算期間その他これに類する期間(これらの期間が一年を超える場合は、これらの期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)。以下この項において「計算期間」という。)において生じた当該国内源泉所得につき金銭その他の資産(以下この項において「金銭等」という。)の交付を受ける場合には、当該配分をする者を当該国内源泉所得の支払をする者とみなし、当該金銭等の交付をした日(当該計算期間の末日の翌日から二月を経過する日までに当該国内源泉所得に係る金銭等の交付がされない場合には、同日)においてその支払があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。」
- 所得税法 第213条第1項(徴収税額)/引用した文言:「前条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に定める金額とする。」
- 法人税法 第138条第1項第1号(国内源泉所得)/引用した文言:「外国法人が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該恒久的施設が果たす機能、当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設と当該外国法人の本店等(……)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得(当該恒久的施設の譲渡により生ずる所得を含む。)」
- 法人税法 第141条柱書(見出しなし)/引用した文言:「外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得の金額とする。」
- 法人税法 第141条第1号(見出しなし)/引用した文言:「恒久的施設を有する外国法人 各事業年度の次に掲げる国内源泉所得……」
- 法人税法 第141条第2号(見出しなし)/引用した文言:「恒久的施設を有しない外国法人 各事業年度の第百三十八条第一項第二号から第六号までに掲げる国内源泉所得」
- 租税特別措置法 第41条の21第1項柱書(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「投資組合契約を締結している組合員である非居住者又は外国法人で、当該投資組合契約に基づいて恒久的施設を通じて事業を行うもののうち次に掲げる要件を満たすものが有する所得税法第百六十一条第一項に規定する国内源泉所得(非居住者にあつては同項第一号及び第四号に掲げる国内源泉所得(同項第二号、第三号、第五号から第十一号まで及び第十三号から第十七号までに掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)に限るものとし、外国法人にあつては同項第四号に掲げる国内源泉所得に限るものとする。)で当該恒久的施設に帰せられるものについては、所得税を課さない。」
- 租税特別措置法 第41条の21第1項第1号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「当該投資組合契約によつて成立する投資組合の有限責任組合員であること。」
- 租税特別措置法 第41条の21第1項第2号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「当該投資組合契約に基づいて行う事業に係る業務の執行として政令で定める行為を行わないこと。」
- 租税特別措置法 第41条の21第1項第3号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「当該投資組合契約に係る組合財産に対する持分割合として政令で定めるところにより計算した割合が百分の二十五に満たないこと。」
- 租税特別措置法 第41条の21第1項第4号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「当該投資組合契約によつて成立する投資組合の無限責任組合員と政令で定める特殊の関係のある者でないこと。」
- 租税特別措置法 第67条の16第1項(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「投資組合契約(第四十一条の二十一第四項第一号に規定する投資組合契約をいう。以下この条において同じ。)を締結している組合員である外国法人で、当該投資組合契約に基づいて恒久的施設を通じて事業を行うもののうち第四十一条の二十一第一項各号に掲げる要件を満たすものが有する法人税法第百三十八条第一項第一号に掲げる国内源泉所得(同項第二号から第六号までに掲げる国内源泉所得に該当するもの並びに所得税法第百六十一条第一項第八号から第十一号まで及び第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)で当該恒久的施設に帰せられるもの(次項において「対象国内源泉所得」という。)については、法人税を課さない。」
- 租税特別措置法 第41条の21第4項第1号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「投資組合契約 投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約及び外国組合契約をいう。」
- 租税特別措置法 第41条の21第4項第6号(外国組合員に対する課税の特例)/引用した文言:「外国組合契約 外国における投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約に類する契約をいう。」
根拠となる通達・裁判例
- 所得税基本通達36・37共-20(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の額の計算等)/引用した文言:「次の(1)の方法により計算する。ただし、その者が(1)の方法により計算することが困難と認められる場合で、かつ、継続して次の(2)又は(3)の方法により計算している場合には、その計算を認めるものとする。」
- 所得税基本通達36・37共-20(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の額の計算等)/引用した文言:「当該組合事業に係る収入金額、支出金額、資産、負債等を、その分配割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法」
- 所得税基本通達36・37共-20(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の額の計算等)/引用した文言:「この方法による場合には、各組合員は、当該組合事業に係る取引等について非課税所得、配当控除、確定申告による源泉徴収税額の控除等に関する規定の適用はあるが、引当金、準備金等に関する規定の適用はない。」
- 所得税基本通達36・37共-20(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の額の計算等)/引用した文言:「各組合員にあん分される利益の額又は損失の額は、当該組合事業の主たる事業の内容に従い、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一の所得に係る収入金額又は必要経費とする。」
- 法人税基本通達14-1-2(任意組合等の組合事業から分配を受ける利益等の額の計算)/引用した文言:「法人が次の(2)又は(3)の方法により継続して各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額を計算しているときは、多額の減価償却費の前倒し計上などの課税上弊害がない限り、これを認める。」
- 所得税基本通達36・37共-19の2(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の帰属の時期)/引用した文言:「任意組合等の組合員の組合事業に係る利益の額又は損失の額は、その年分の各種所得の金額の計算上総収入金額又は必要経費に算入する。」
- 法人税基本通達14-1-1の2(任意組合等の組合事業から受ける利益等の帰属の時期)/引用した文言:「たとえ現実に利益の分配を受け又は損失の負担をしていない場合であっても、当該法人の各事業年度の期間に対応する組合事業に係る個々の損益を計算して当該法人の当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。」
- 所得税基本通達36・37共-19(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の帰属)/引用した文言:「当該分配割合が各組合員の出資の状況、組合事業への寄与の状況などからみて経済的合理性を有していないと認められる場合には、この限りではない。」
- 所得税基本通達36・37共-19(任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の帰属)(注1)/引用した文言:「任意組合等とは、民法第667条第1項《組合契約》に規定する組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項《投資事業有限責任組合契約》に規定する投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約に関する法律第3条第1項《有限責任事業組合契約》に規定する有限責任事業組合契約により成立する組合並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」
- 法人税基本通達14-1-1(任意組合等の組合事業から生ずる利益等の帰属)(注)/引用した文言:「任意組合等とは、民法第667条第1項に規定する組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項に規定する投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約に関する法律第3条第1項に規定する有限責任事業組合契約により成立する組合並びに外国におけるこれらに類するものをいう。」
- 最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166)/裁判要旨の引用:「外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かは,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。」
- 最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日判決(平成25(行ヒ)166)/裁判要旨の引用:「米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当し,上記リミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る所得が上記リミテッド・パートナーシップに帰属するものと認められるという判示の事情の下においては,当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者は,同人の総所得金額を計算するに当たり,当該賃貸事業に係る所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の所得の金額から控除することはできない。」
本稿は2026年9月6日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。
記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

