会社の業績が伸びると、オーナーの自社株の評価額も大きくなることがあります。株式を相続しても、その評価額と同じ現金が手に入るわけではありません。事業承継では株価の算定と、相続税を支払う資金の確認を一緒に進めます。
最初に株式評価を行います
会社の帳簿上の純資産を発行株式数で割れば完成する、とは限りません。株主の区分、会社規模、事業内容、資産構成などにより、適用する評価方式が変わります。種類株式がある場合には権利内容も確認します。
下の計算機は自社株の価額を算定しません。別途評価した金額を入力し、相続税の概算を計算します。会社全体の価値と、亡くなった方が所有していた株式の評価額も区別してください。
自社株1億5,000万円、預金3,000万円の例
相続人を成人の子2人とし、債務がない場合、正味遺産は1億8,000万円です。基礎控除4,200万円を引いた1億3,800万円を法定相続分で分けると、1人当たり6,900万円です。
6,900万円に対する税額は1,370万円で、相続税の総額は2,740万円になります。均等取得なら1人当たり1,370万円です。全体として預金が3,000万円あっても、その預金を誰が取得するかによって、個々の納税資金は変わります。
後継者に株式を集中させる場合
後継者が株式を全部取得し、もう1人が預金を取得する場合、均等取得の計算結果をそのまま各人の納付額として使えません。相続税の総額を、実際の課税価格に応じて配分する必要があります。
経営権を集中させたいという目的と、財産の配分、代償金、納税資金を同時に検討します。本記事は税額の概算を扱うもので、遺産分割に関する権利調整そのものは別途専門家と確認する必要があります。
事業承継税制は別の条件を持つ制度です
事業承継税制による納税猶予は、単に自社株があるというだけでは使えません。会社、先代経営者、後継者、計画や認定、申告、継続手続などの条件があります。税額を計算する段階と、納付を猶予できるか判断する段階を分けてください。
この計算欄には猶予を反映していません。まず通常の税負担を見てから、制度を使う場合の条件と継続負担を比べるためです。毎年贈与して株式を移す方法とも比較しますが、贈与時の評価や相続時の加算を無視して有利不利を決めることはできません。
例で確認する
| Item | この例の条件・金額 |
|---|---|
| 自社株/預金 | 1億5,000万円/3,000万円 |
| 相続人 | 子2人・均等取得 |
| 基礎控除後 | 1億3,800万円 |
| 相続税の総額 | 2,740万円(納税猶予なし) |
主な参考資料
法令・制度の基準日:2026年08月23日。個別の事実関係によって結論が変わるため、具体的な取扱いは資料を確認してご検討ください。
ご家族と財産の状況に応じた検討を
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相続・贈与・事業承継のご相談はこちら →本稿は2026年10月10日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。
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