税務調査の基礎知識

附帯税(加算税・延滞税)まとめ

申告や納付が本来の期限より後になったとき、本来の税に上乗せして課されるものをまとめて附帯税といいます。

種類ごとに条文が別で、率も要件も違います。「ペナルティ」とひとくくりにすると、どこで止められるかが見えません。

「附帯税」は条文上の用語

国税通則法第2条第4号。

四 附帯税 国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。

6種類です。このうち利子税(通則法64条)は、延納・物納や申告期限の延長に係るものであり、遅延に対する制裁とは性質が違います。以下は残る5種類を扱います。

延滞税

国税通則法第60条第2項は、年14.6%とし、ただし書で「納期限までの期間又は納期限の翌日から二月を経過する日までの期間」については年7.3%としています。

同法第61条は、延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例(一定の場合に期間を除く)を、同法第63条は免除を定めています。無限に積み上がる建て付けではありません。

加算税は「いつ動いたか」で3段階

調査通知のに自主的に 通知後・予知しないで 更正・決定を予知して(調査後)
過少申告加算税(65条) 不適用(6項) 5%(1項括弧書き) 10%(1項)
無申告加算税(66条) 5%(8項) 10%(1項括弧書き) 15%(1項)
不納付加算税(67条) 5%(2項) 10%(1項)

気づいた時点でどこにいるかで、率が変わります。ここが「早く動く」ことの意味です。

重加算税

事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装した場合に、加算税に代えて課されます。

  • 過少申告加算税に代えて 35%(68条1項)
  • 無申告加算税に代えて 40%(68条2項)
  • 不納付加算税に代えて 35%(68条3項)

加重される場合

  • 過少申告加算税 ── 納付すべき税額が「期限内申告税額に相当する金額と50万円とのいずれか多い金額」を超えるとき、その超える部分に5%を加算(65条2項)
  • 無申告加算税 ── 納付すべき税額が50万円を超えるとき、その超える部分に5%を加算(66条2項)。金額が300万円を超える場合は、50万円以下=15%、50万円超300万円以下=20%、300万円超=30%の区分計算(66条3項。予知しない場合は各5%減)
  • 繰り返した場合 ── 無申告加算税は10%を加算(66条6項)、重加算税も10%を加算(68条4項)。いずれも、前日から起算して5年前の日までの間に同じ税目で課されたことがある場合などです

重加算税に繰り返しの加重が乗ると、50%に達します。

課されない場合がある

条文にはただし書と、期限内に立て直した場合の規定が置かれています。

  • 無申告加算税 ── 「期限内申告書の提出がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない」(66条1項ただし書)。加えて同条第9項は、予知しないでされた期限後申告で、提出する意思があったと認められる政令で定める場合に該当し、かつ法定申告期限から1月を経過する日までに行われたときは第1項を適用しないとしています
  • 不納付加算税 ── 同旨のただし書(67条1項)に加え、同条第3項が、告知を予知しない自主納付(2項該当)で、法定納期限までに納付する意思があったと認められる政令で定める場合に該当し、かつ法定納期限から1月を経過する日までに納付されたときは第1項を適用しないとしています。過去の納付状況に関する要件も確認が必要です(国税通則法施行令27条の2第2項)

延滞税の率は、条文の数字そのままではない

租税特別措置法第94条第1項(延滞税の割合の特例)。

国税通則法第六十条第二項……に規定する延滞税の年十四・六パーセントの割合及び年七・三パーセントの割合は、これらの規定にかかわらず、各年の延滞税特例基準割合平均貸付割合に年一パーセントの割合を加算した割合をいう。……)が年七・三パーセントの割合に満たない場合には、……

実際に適用される率は年ごとに変わります。14.6%・7.3%をそのまま計算に使わないでください。適用される率は国税庁が年ごとに公表しています。

実務で迷いが生じるところ

  • 「正当な理由」とは何か。条文は要件を列挙していません
  • 「調査通知」はいつあったことになるのか。通則法74条の9第1項4号・5号の事項の通知と条文が書いています
  • 重加算税の「隠蔽し、又は仮装した」とは何か。事実認定の問題です
  • 修正申告と更正の請求のどちらを選ぶべきか。加算税の扱いが変わります
  • 延滞税の計算期間はどこまで縮むのか。通則法61条の特例の適用要件を見ることになります

税務調査の連絡が来る前と後とでは、条文上の率が変わります。気づいた時点でご相談ください。

根拠条文

  • 国税通則法第2条第4号(附帯税の定義)
  • 国税通則法第60条(延滞税)・第61条(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)・第63条(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)・第64条(利子税)
  • 国税通則法第65条(過少申告加算税)
  • 国税通則法第66条(無申告加算税)
  • 国税通則法第67条(不納付加算税)
  • 国税通則法第68条(重加算税)
  • 租税特別措置法第94条(延滞税の割合の特例)

実際に適用される延滞税の率と個別の判定には確認が必要です。

本稿は2026年9月7日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

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