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無申告加算税とは

申告期限までに申告書を出しませんでした。あとから期限後申告を出す、あるいは税務署から決定を受けます。そのときに本税とは別に課されるのが無申告加算税です。国税通則法第六十六条に定めがあります。

この記事は、期限を過ぎたことに気づいた人が、いつ出せばいくら軽くなるのかを判断するための地図です。

対象になるのは二つの場面

第六十六条第一項は、期限後申告書の提出または第二十五条の規定による決定があった場合と、その後にさらに修正申告書の提出または更正があった場合の二つを掲げています。

もっとも、同項にはただし書があり、「期限内申告書の提出がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない」とされています。正当な理由が認められれば課されません。

割合は15%。予知していなければ10%

基本の割合は、納付すべき税額の15%です。期限後申告書または修正申告書の提出が、調査があったことにより更正または決定があるべきことを予知してされたものでないときは10%になります。

さらに前段があります。予知しないでされたものであって、かつ調査通知より前に行われたときは、第六十六条第八項により5%になります。過少申告加算税と違い、こちらは免除ではなく5%への引下げです。

50万円と300万円で階段が変わる

第六十六条第二項は、納付すべき税額(修正申告書の提出または更正があったときは、累積納付税額を加算した「加算後累積納付税額」)が50万円を超えるとき、その超える部分に5%を加算します。

第六十六条第三項は高額の無申告に対応する規定です。加算後累積納付税額が300万円を超えるときは、税額を区分してそれぞれに割合を乗じます。区分は、50万円以下の部分に15%、50万円を超え300万円以下の部分に20%、300万円を超える部分に30%です。予知しないでされたときは、それぞれから5%を減じた割合になります。

ただし第三項には控除の仕組みがあり、300万円超の判定にあたっては、その計算の基礎となった事実のうち「当該納税者の責めに帰すべき事由がないと認められるもの」があるときは、その事実に基づく税額を控除した税額で判定します。相続で財産の存在を知り得なかった場合などがここで議論されます。

帳簿を出さなかったときの加重

第六十六条第五項は、過少申告加算税と同じ構造の加重です。期限後申告等の前に当該職員から帳簿の提示または提出を求められた場合に適用され、提示・提出をしなかったとき、または特定事項の記載が著しく不十分だったときは10%、記載が不十分だったときは5%を加算します。「当該納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く」点も同じです。

繰り返した場合の10%加算

第六十六条第六項は、二つの類型で10%を加算します。

第一号は、期限後申告書等の提出(更正・決定があるべきことを予知してされたものに限る。)や更正・決定があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、同じ税目について無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合です。ここでいう無申告加算税からは、予知しないでされた申告に課されたものが除かれています。第二号は、その国税の課税期間の初日の属する年の前年および前々年に課税期間が開始した同じ税目について、無申告加算税または第六十八条第二項の重加算税を課されたことがある場合などです。二期連続の無申告がここに当たります。

1月以内に出せば課されない場合がある

第六十六条第九項は不適用を定めています。期限後申告書の提出が、決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、「期限内申告書を提出する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合」に該当してされたものであり、かつ法定申告期限から1月を経過する日までに行われたものであるときは、第一項を適用しません。

意思があったと認められる場合の中身は政令に置かれています。期限を1日過ぎたことに気づいたら、この1月の枠が最初の選択肢になります。

いつ成立し、いくらから課されるか

無申告加算税の納税義務は、法定申告期限の経過の時に成立します(第十五条)。

端数の扱いは過少申告加算税と同じです。計算の基礎となる税額は1万円未満を切り捨て、確定した加算税の額は100円未満を切り捨て、全額が5,000円未満なら全額を切り捨てます(第百十八条、第百十九条)。税目は本税と同じです(第六十九条)。

実務でよく相談を受ける点

相談が多いのは、何年分もまとめて出すときの順序です。どの年分から出すかで第六十六条第六項の判定が変わることがあり、また高額な年分がある場合は第三項の区分計算が効きます。出す前にご相談いただければ、全体の負担を見たうえで順序を決められます。

附帯税全体の位置づけは附帯税の全体像にまとめています。

根拠条文

  • 国税通則法第2条第4号(定義)
  • 国税通則法第15条第2項第14号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)
  • 国税通則法第25条(決定)
  • 国税通則法第66条第1項から第9項まで(無申告加算税)
  • 国税通則法第69条(加算税の税目)
  • 国税通則法第118条第3項(国税の課税標準の端数計算等)
  • 国税通則法第119条第4項(国税の確定金額の端数計算等)

条文の見出しは e-Gov 法令検索の法令データで確認しています。

本稿は2026年9月6日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

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