世界経済の基礎知識

一人あたりGDPの国際比較

富裕層の方の海外移住や、日系企業の海外展開・海外進出のサポートをさせていただく中で、「どこの国がオススメですか?」と聞かれることが多いです。

答えは、「その方のライフスタイル」や「その会社の強み」によるので一概には言えないのですが、いわゆる「ファクト」として、諸外国の比較は役に立ちます。

その中でも、「一人あたりGDP」と言う統計指標は、「その国の国民の経済力」や「物価(と比較的比例しやすい)」などの参考になるので、ぜひ一度、じっくりと見ていただきたい統計です。

個人の方の海外移住や、企業の海外展開・海外進出のご参考まで。

1. 日米比較

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)02万4万6万8万10万19601970198019902000201020202024アメリカ日本

GDPで世界一のアメリカと第3位の日本(2011年に中国に抜かれるまでは第2位)は同じような成長スピードで経済的進化を遂げてきたことが分かります。(余談ですが、弊事務所提携先のボストンのアメリカ人CPA(公認会計士)は2015年現在、50歳代なのですが、「オレの青春はYAMAHAとHONDAのバイクだったんだぜ」といつも言っており、その言葉を初めて聞いたとき、個人的には日本人としてかなりシビれたのですが、それくらい、敗戦国だったにも関わらず、戦後日本経済の製造業はイケていて、ものすごい成長を実現する原動力になったわけで、本当に尊敬しております。つまり、上の図は、そういった日本人たちが成し遂げたことの証でもあるわけです。)

日米+シンガポール・香港比較

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)02万4万6万8万10万19601970198019902000201020202024シンガポールアメリカ香港日本

村上ファンド事件のあたり、村上さんが「日本の一人あたりGDPはシンガポールに負けている」とおっしゃっていたのをよく思い出しますが、これも事実です。ただ、ひとつ個人的に言いたいのは、「シンガポールも香港も都市国家だ」ということ。例えば、「東京」という都市とだけ比べれば、日本もシンガポールや香港には負けません。

ここまでをまとめると、日米+シンガポール・香港、ざっくりと言うと、「ほぼ同じ」です。

次に、ヨーロッパも見てみましょう。ちなみに、ヨーロッパ経済の4強(GDP比:一人あたりGDPではなくGDP総額)は、ドイツ・フランス・イギリス・イタリアで、スペインが続きます。

日米+シンガポール・香港+欧州4強比較

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)02万4万6万8万10万19601970198019902000201020202024シンガポールアメリカドイツ香港イギリスフランスイタリア日本

これも、ざっくりと言うと、「ほぼ同じ」。
いわゆる「先進国」という括りになります。

次に、BRICsについても見てみましょう。

日本+BRICs比較

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)01万2万3万4万5万6万19601970198019902000201020202024日本ロシア中国ブラジルインド

wikipediaによると、BRICsという言葉は「投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストであるジム・オニールによって書かれた2001年11月30日の投資家向けレポート『Building Better Global Economic BRICs』で初めて用いられ、世界中に広まった」そうで、「2000年代以降著しい経済発展を遂げているブラジル、ロシア、インド、中国の4ヶ国の総称」ですが、かなりざっくりとした言い方になりますが、「アメリカとブラジル(中南米新興諸国)」、「ヨーロッパとロシア(欧州新興諸国)」、「日本と中国・インド(アジア新興諸国)」の関係は、それぞれ地理的に近く、「先進国と新興諸国という構図」という意味で似ています。

今度は、日本とアジア諸国の関係について。

日本+アジア新興諸国比較

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)01万2万3万4万5万6万19601970198019902000201020202024韓国日本中国マレーシアタイモンゴルインドネシアベトナムスリランカフィリピンカンボジアバングラデシュインドラオスミャンマー

よく言うのですが、2015年現在のアジア諸国は、日本と比べると下記のような感じです。

◯日本とシンガポール・香港が同じくらい
◯韓国と台湾がその半分くらい
◯マレーシアがその半分(日本から見ると1/4)くらい
◯中国とタイがその半分(日本から見ると1/8)くらい
◯インドネシア・フィリピン・スリランカ・モンゴルがその半分(日本から見ると1/16)くらい
◯インド・ベトナム・ラオスがその半分(日本から見ると1/32)くらい
◯カンボジア・バングラデシュ・ミャンマーがその半分(日本から見ると1/64)くらい

分かりやすくするために、マレーシア以下の国で比較してみましょう。

一人あたりGDP(名目・米ドル) 出所:世界銀行 World Development Indicators(NY.GDP.PCAP.CD)02.5千5千7.5千1万1.3万1.5万19601970198019902000201020202024中国マレーシアタイモンゴルインドネシアベトナムスリランカフィリピンカンボジアバングラデシュインドラオスミャンマー

よく言われることですが、どの国も、「人口構造」や「経済成長」が、日本の1960年から1980年くらいの時代(いわゆる「高度経済成長期」。厳密には、「1954年(昭和29年)12月から1973年(昭和48年)11月までの19年間」)と似ています。そこから、日本経済はいわゆる「安定経済成長期」に入り、乗数的に経済力を伸ばしたわけですが、アジア諸国や中南米諸国、欧州新興国でもそういったことが起きるのでしょうか?

こういった予想をするにはさらに、各国の「人口構造」「教育力」「カントリーリスク」なども同時に比較すべきですが、単純に考えれば、「国が成熟するまでの余力があるのだから、ふつうは伸びるだろうな」「伸びない理由を探すほうがむずかしい」と個人的には考えています。

本稿は2026年8月31日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。

記載には注意を払っていますが、誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけると幸いです。

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