本税を納期限までに納めなかったとき、遅れた日数に応じてかかるのが延滞税です。国税通則法第六十条に定めがあり、割合の特例は租税特別措置法第九十四条にあります。
この記事は、納付が遅れている納税者と関与税理士が、いつから、どの割合で計算されるのかを確かめるためのものです。
加算税とは性格が違う
加算税が申告や納付の態度に対する制裁であるのに対し、延滞税は遅れた期間に対する利息に相当するものです。第二条は、延滞税・利子税と4種類の加算税を合わせて附帯税と定義しています。延滞税は本税とあわせて納付し、税目も本税と同じです。
課される5つの場合
第六十条第一項は、延滞税を納付しなければならない場合を5つ掲げています。期限内申告書を提出したが法定納期限までに完納しないとき。期限後申告書・修正申告書の提出または更正・決定により第三十五条第二項による納付すべき国税があるとき。納税の告知を受けて法定納期限後に納付するとき。予定納税に係る所得税、源泉徴収等による国税を完納しないとき。
3番目の場合について、条文は括弧書きで「第五号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く」としています。
期間は法定納期限の翌日から完納の日まで
第六十条第二項は、法定納期限の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じて計算すると定めています。修正申告書を出した日からではなく、もとの期限に遡ります。
ただし、法定納期限が読み替えられる国税があり、条文は「その他政令で定める国税については、政令で定める日」としています。
割合は二段。本則は年14.6%と年7.3%
本則は年14.6%です。ただし書により、納期限までの期間、および納期限の翌日から2月を経過する日までの期間は年7.3%となります。
ここでいう納期限は法定納期限とは別で、修正申告なら提出した日、更正なら更正通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日です(第三十五条第二項)。修正申告後2月以内に納めれば低い割合で収まります。
実際に使う割合は特例で下がる
租税特別措置法第九十四条第一項が特例を置いています。各年の延滞税特例基準割合が年7.3%に満たない場合、14.6%は「当該延滞税特例基準割合に年七・三パーセントの割合を加算した割合」、7.3%は「当該延滞税特例基準割合に年一パーセントの割合を加算した割合(当該加算した割合が年七・三パーセントの割合を超える場合には、年七・三パーセントの割合)」となります。
延滞税特例基準割合とは、平均貸付割合に年1%を加算した割合です。平均貸付割合は前年11月30日までに財務大臣が告示するため、割合は毎年変わります。実際の割合は、その年の国税庁の公表値で確認してください。
なお、こうして加算した割合が年0.1%未満になるときは年0.1%とします(同法第九十六条)。
1年を超える部分が切られることがある
第六十一条は期間の特例です。期限内申告書が提出されている国税について、法定申告期限から1年を経過する日後に修正申告書が提出され、または更正通知書が発せられたときは、1年を経過する日の翌日からその日までの期間を控除します。期限後申告書の場合も、その提出日の翌日から起算して1年を経過する日を基準に同じ扱いです。
ただし除外があります。条文は「偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた納税者が当該国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知して提出した当該申告書」等を除いています。
第六十一条第二項は減額更正の後に増額更正等があった場合、第三項は源泉徴収等による国税について、それぞれ控除期間を定めています。
一部だけ納めたとき、猶予を受けたとき
第六十二条は、基礎となる国税の一部が納付されたときは、納付の日の翌日以後の期間について、その税額を控除した金額を基礎とします。また、延滞税をあわせて納付すべき場合、納付した金額はまず本税に充てられたものとされます。
第六十三条は免除です。災害等による納税の猶予や滞納処分の執行の停止をした場合はその期間に対応する部分の全額、事業の廃止等による納税の猶予や換価の猶予をした場合は「当該国税の納期限の翌日から二月を経過する日後の期間に限る」として、その期間に対応する部分の2分の1に相当する金額が免除されます。この2分の1は、措置法第九十四条第二項により猶予特例基準割合を用いた計算に読み替えられます。
いつ成立し、いくらから課されるか
延滞税は、納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで税額が確定する国税です(第十五条)。賦課決定通知は来ません。
端数は、計算の基礎となる税額の1万円未満を切り捨て(第百十八条)、確定した額の100円未満を切り捨て、全額が1,000円未満なら全額を切り捨てます(第百十九条)。加算税の5,000円未満とは基準が違います。
実務でよく相談を受ける点
相談が多いのは、分割して納めるときの順序と、猶予制度を使うかどうかです。納付額はまず本税に充てられるため、本税を早く減らすほど延滞税は鈍ります。滞納の段階でご相談ください。
全体像は附帯税の全体像にまとめています。
根拠条文
- 国税通則法第2条第4号及び第8号(定義)
- 国税通則法第15条第3項第7号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)
- 国税通則法第35条第2項(申告納税方式による国税等の納付)
- 国税通則法第60条第1項から第4項まで(延滞税)
- 国税通則法第61条第1項から第3項まで(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)
- 国税通則法第62条第1項及び第2項(一部納付が行なわれた場合の延滞税の額の計算等)
- 国税通則法第63条第1項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)
- 国税通則法第118条第3項(国税の課税標準の端数計算等)
- 国税通則法第119条第4項(国税の確定金額の端数計算等)
- 租税特別措置法第94条第1項及び第2項(延滞税の割合の特例)
- 租税特別措置法第96条第1項(利子税等の額の計算)
条文の見出しは e-Gov 法令検索の法令データで確認しています。
本稿は2026年9月4日時点の法令に基づく一般的な解説です。実行の前に必ず個別にご相談ください。
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