| 昨今、にわかに終身旅行者なる言葉が税務の世界でささやかれています。
私は2004年の夏に、木村昭二著終身旅行者 でその概念を知りました。
その後、あるベンチャー企業をバイアウトした元会社役員が自らを「パーマネントトラベラー」と名乗るなど、にわかに注目されつつある概念です。
終身旅行者:Perpetual
Traveler (PT)
とはどういった理論なのでしょうか。
今回は終身旅行者の検証です。
簡単に言えば、ずっと旅行している人はどこの国でも非居住者だという理屈です。
しかし、このステータスに関する根拠を租税条約の183日ルールに求めているところが、私には疑問です。
183日ルールはあくまでも課税権放棄の規定で、居住者の定義とは関係がありません。
わが国の税法上、PTの概念は存在しません。
いわゆる「税法が予定していない取引」と言えるかもしれません。
わが国の所得税法は、個人を3種類のステータスに分類しています。
永住者:Permanent
Resident (PR)
非永住者:Non-Permanent Resident
(NP)
非居住者:Non-Resident
(NR)
終身旅行者の目的は全世界で課税を合法的に免れる方法論の構築ですが、少なくとも、人的役務提供を行った場合、非居住者であろうと、国内源泉所得として必ずその国で所得税が課税されるはずです。
非常に面白い概念ではありますが、使い方を誤ると予測できない課税が生じる恐れがあります。
海外移住に伴う課税関係については、事前に専門家に相談するべきでしょう。
我々の事務所でお手伝いできることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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