税制適格ストックオプションとは

ストックオプションの税務上の取扱いは、いわゆる税制適格と呼ばれるものと税制非適格に分類されます。
税制適格は租税特別措置法に定められた措置で特例ですから、原則は非適格になります。

今回は税制適格ストックオプションに関するお話です。

税制適格ストックオプションの要件は、租税特別措置法第29条の2並びに租税特別措置法施行令第19条の3に定められています。この条文構成は非常に複雑ですので、その概要を整理してみたいと思います。

定義が行われている言葉がたくさん出てきますが、それぞれの言葉の定義は省略します(ただし、この定義が重要ですのでご注意下さい)。

要件を整理すると、人的要件(適格対象者)と契約要件に分かれます。

人的要件
・ストックオプションの付与決議のあった株式会社または当該株式会社の関係法人の取締役又は使用人である個人又は当該取締役等の相続人。
・但し、大口株主及び当該大口株主の配偶者その他の特別な関係があった個人は適用除外。
・株式会社と当該取締役等の間に締結された契約。
・権利行使時、権利者が付与決議の日において大口株主及び大口株主の特別関係者に該当しない旨誓約、かつ、株式会社が上記書面を保存。
・株式会社が翌年の1月31日までに調書を税務署長へ提出。
・証券会社が翌年の1月31日までに調書を税務署長へ提出。

契約要件
・無償で発行。
・付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に権利行使。
・行使価額は発行時の時価以上であること。
・商法遵守。
・予め株式会社と証券会社との間で権利者毎に権利行使により発行等される株式の保管の委託又は管理及び処分に係る信託に関する取り決めに従い、取得後直ちに当該委託又は管理等信託がされること。

個人的には、実務レベルでは、会社は権利付与する相手(個人)のために税制適格になるための要件を押さえてあげて、税制適格になるかどうかは付与した相手次第というような要綱に落ち着くものと理解しています。
つまり、付与された個人が税制適格を選択したいのに会社作成の要綱や契約書のために選択できないというような事態は回避しなければならず、せっかく回避してあげても、相手には不適格のメリットを享受する(株価を意識し、あえて税制不適格でも年間1,200万円以上の権利行使をする等)選択肢を残しておいてあげるということが望まれるのだと考えています。

会社が押さえるべき要件と実務
上記要件の中で、会社が押さえてあげておくべき要件或いは実務を整理すると、下記のようになるかと思います。

・付与決議
・権利付与の契約
・誓約書のフォーム提供(権利行使時)
・報告書のフォーム提供(権利行使時)
・上記の保存
・調書の提出
・証券会社に調書を提出させる(株式の異動時)

・無償で発行
・発行時時価以上の行使価額設定
・譲渡禁止の明文化
・予め証券会社と委託・信託契約

我々の事務所でお手伝いできることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

関連書籍

新株予約権(ストックオプショ...
山田&パートナーズ著 中央経済社

 

 


 ・タックスプランニングとは

 ・相続税対策について

 ・固定資産税について

 ・税務調査について

 ・終身旅行者とは

 ・租税条約とは

 ・タックスヘイブン税制とは

 ・移転価格税制とは

 ・香港の税制について

 シンガポールの税制...

             一覧


【特集】税務調査

 
Copyright (C) 2004 Kenji Yanagisawa Tax Consulting Firm All Rights Reserved.