Topics.39 医療費控除について

2004.5

毎年確定申告の時期になると、サラリーマンの方が「医療費控除」のために確定申告をし、過大に納税してしまった所得税の還付を受ける姿を目にします。

今回は医療費控除の説明です。

■概要
自分自身や家族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。医療費控除は、所得金額から一定の金額を差し引くもので、控除を受けた金額に応じた所得税が軽減されます。
■控除対象医療費の要件
納税者が、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費で、自分自身又は自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
■控除対象額
(A-B)-C
A 実際に支払った医療費の合計額
B 保険金などで補てんされる金額)-ロの金額
C 10万円(ただし、その年の所得金額の合計額が200万円未満の人はその5%の金額)
さて、所得税法上の「医療費控除」は、納税者の担税力という社会的な観点から、個人の所得のうち「医療費」部分は控除するという規定ですが、この「医療費」の範囲をめぐって、つまり、何が医療費として認められるのかをめぐって論争が起こることがあります。

例えば、平成14年11月26日付けの国税不服裁判所の裁決によれば、自然食品、健康食品等は「医療費」に含まれないこととされています。

私はこの裁決の真意がよく分かりません。
国税不服審判所の裁決の根拠は「自然医食品等は、薬事法第2条第1項に規定する医薬品に該当しないことが明らかであり、これを所得税法第73条及び同施行令第207条に規定する治療又は療養に必要な医薬品と解することができないから」となっていますが、他の税法、税制上、税法以外の法律を引用するときには必ずその法律名条文番号が明記されていますので、条文上の「医薬品」の定義を薬事法に求めることはナンセンスだと思います。

むしろ、納税者の「自然医食品等は、医師がその自然医学理論に基づく独自の治療法に不可欠な治療手段として処方した処方箋に基づき購入したものであり、これを薬事法上の医薬品とみなして医療費控除を適用すべきである」旨の主張の方が、この条文の理論、本質に沿っているように思われてなりません。

もし、行政側が当該「医療費」を否認するのならば、租税法律主義に基づき、「一般的に支出される水準を著しく超え」ていないかどうかといった論点で「超過額」のみを否認すべきではないかと思います。

柳澤国際税務会計事務所は、税理士の使命として、納税者と課税当局の中立性を保ちながら、条文の本質を常に考えていきたいと思います。

関連リンク
http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0702000000.html

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